蔀戸を全開にした二つ台みーとみーとの外観
二つ台みーとみーと

これまでの歩み

閉店したお肉屋さんが、まちに開いた地域交流拠点になるまで

横浜国立大学の西門から歩いて2分。二つ台商店街のほぼ真ん中に、長く親しまれた精肉店「二葉屋精肉店」がありました。2023年の夏に閉店したその建物を改修して、いま二つ台みーとみーとがあります。名前は、お肉の meat と、出会いの meet をかけたものです。

ここでは、その建物がどうやっていまの形になったのかを、日付とともに記録しています。ヨコハマ市民まち普請事業の助成をいただきながら、地域の方、横浜国立大学の学生、設計者と一緒につくってきた2年半です。

提案の概要 ── この場所が引き受けようとしたこと
二つ台商店街の様子
二つ台商店街。バスが通り、人通りもあります。その並びに、赤い看板の建物があります。
課題 1商店が、一気に減った

店主の高齢化で、数年のうちに近隣の商店が相次いで閉店しました。人通りはあるのにシャッターが目立つ。しかも高台なので、坂を上り下りしないと店にたどり着けない。ふらっと立ち寄れる場所、腰を下ろせる場所が、地域から減っていました。

課題 2世代を超えて交わる機会が少ない

高齢者は高齢者、子育て世代は子育て世代。同じ世代の集まりはよく開かれているのに、縦のつながりが薄い。すぐそばに横浜国立大学があって若い人がたくさん住んでいるのに、その活動が地域に出てくる機会も少ない。

この2つに、学習塾と、地域に開いたシェアキッチンが重なった場所で応えよう、というのが私たちの提案です。学習塾は夜しか使いません。子どもたちが学校に行っている昼と週末を、地域に開ける。この組み立てが提案の核でした。

整備した業務用キッチン
整備の中心は、業務用キッチンの新設です。飲食店営業許可・菓子製造業許可が取得できる仕様にしました。近くには地域ケアプラザやコミュニティハウスがあり、集まる場所はあります。ただ、そこでは物を売ることが難しい。だから私たちは「作ったものを売れる台所」にしました。この一点で、この拠点が地域で果たす役割が決まっています。
ほかに、床/電気・給排水・空調/内装/トイレ・建具/断熱。前面は蔀戸(しとみど)を開けると、通りと店の境目がなくなります。
V I S I O N

だれもがひらめきを形にできて、
みんながワクワクする地域

1
チャレンジの機会

いつかお店を持ちたい人が、試しに開いてみられる場

2
交流の場

地域の団体が、活動を地域に開いていく場

3
学びの場

教室や講座。そしてチャレンジすること自体が学びになる

2023年5月 — 11月はじまり

「学習塾は、昼のあいだ空いている」。そこから始まりました。

2023年5月授業のようすみたか塾 開校 物件を借りるお金がなく、藤棚デパートメントというシェアキッチンを時間貸しで借りて教室にしていました。そこで気づきます ── 学習塾は机と椅子があれば成立する。しかも子どもたちが学校に行っている昼間は、空間がまるまる空いている。だったらその時間を、地域に開けるのではないか。
2023年7月二葉屋精肉店 閉店 同じ時期に、近隣の焼肉店・そば店も相次いで閉店しました。
2023年10月建築学科の同級生と「自分の塾を作るなら、昼の空き時間を地域に開きたい」と話し、「作る時は一緒にやろう」と約束
2023年11月常盤台・羽沢のまち歩きで、3つの商店が閉店したことを知る 人通りはあるのにシャッターが目立つ。高台なので坂を上り下りしないと店にたどり着けない。ふらっと立ち寄れる場所が、地域から減っていました。

2024年1月 — 7月まち普請 1次コンテストまで

物件も資金もないところから、半年で提案書まで。

2024年1月隣の理容店のご主人に助けていただき、建物を管理する不動産会社が判明。中を初めて見せてもらうL字型で思ったより奥行きがあり、「学習塾は十分いける」と手応えを得ます。
2月建築ユニット 8000000studio と建物を実測。1日かけてシャッターを開けて計測
3月羽沢横国まちづくり協議会で「ヨコハマ市民まち普請事業」を知る横浜市の職員の方に紹介していただいたのが出会いでした。過去の採択事例を見学するバスツアーにも参加しました。
4月「みーとみーとPJ」と命名。学生向け説明会には20人が集まりました
5月模型を作る会を開催。建築学生が集まり、ここで加わったメンバーがいまも運営に関わっています📁 写真
5月31日まち普請 1次提案書 提出
7月21日1次コンテスト 1位で通過当日の発表資料(14ページ)を開けます。📁 写真

2024年8月 — 2025年1月建物に手をつける前に、場を開く

1次を通過してから2次コンテストまでの半年で、イベントを10本開きました。建物はまだ、シャッターの閉まった精肉店のままでした。
「チラシ」の付いた名前を押すと、当時のチラシが開きます。

この頃つくったプロジェクトの概要チラシ

2024年10月6日大掃除会の様子みーとみーと大掃除会建物での最初の活動。まず掃除から始めました。📁 写真
10月19日みーとみーとシネマの様子みーとみーとシネマ建物が薄暗いのを逆手にとって、前の駐車場と一体で屋外上映をしました。📁 写真
10月26日ボドゲの様子みーとみーとボドゲ(横浜国立大学のサークルとコラボ)📁 写真
10月29日まち普請の審査員による現地視察会当日お配りした資料(8ページ)を開けます。📁 写真
11月10日スツール作り住民説明会このとき地域のみなさんと作った舟形スツールは、いまも店内で使っています。📁 写真
11月10日
〜12月22日
クラウドファンディング 131人・1,320,345円耐震補強のための資金集めです。返礼品に「DIY参加券」を用意して、応援してくださった方が、そのまま施工の担い手になれるようにしました。ご支援ありがとうございました。
11月17日おいもカフェの様子おいもカフェ(Agridge PJ とコラボ)📁 写真
11月23日どんぐりと竹📁 写真
11月24日建築学生と作るお菓子の家(縁食PJ とコラボ)📁 写真
12月6日健康カフェの様子健康カフェ(横浜保土ケ谷中央病院とコラボ)お医者さん・医学生との打ち合わせから生まれた企画です。この「健康カフェ」がのちに「まちのほけんしつ ルポゼ」となり、いまも毎月続いています。📁 写真
12月13・14日みーとみーとカフェ📁 写真
12月22日干支色紙ワークショップの作品干支色紙ワークショップ📁 写真
2025年1月26日まち普請 2次コンテスト 審査員の満票で通過整備助成金500万円が決まりました。📁 写真
2次コンテスト当日の集合写真
2025年1月26日、2次コンテストの会場にて。この日、審査員の満票をいただいて整備助成金が決まりました。真ん中にあるのが、みんなでつくった模型です。

2025年2月 — 2026年2月つくりながら、開きつづけた

設計と工事監理はプロにお願いし、施工はできる範囲を自分たちの手で。夏から秋にかけて7回のワークショップで少しずつ形になっていきました。そして工事と並行して、マルシェも駄菓子屋も動いていました。

連続DIYワークショップの協力者募集チラシ

2025年2月22日耐震工事。ここから着工です📁 写真
3月19日外壁の解体作業土間工事。ここから外壁の解体、内装へと進みます📁 写真
4月1階に学習塾(みたか塾 釜台校)がオープン
4月横浜国立大学「地域課題実習」のプロジェクトに単位の取れる正規の授業として、毎年学生が関わる仕組みができました。
5月3〜6日マルシェの様子みーとみーとマルシェ vol.1工事中の建物で、マルシェが始まりました。以後、ほぼ毎月続いています。📁 写真
6月14日マルシェ vol.2 / ひまわりDays📁 写真
7月5日アグリッジ夕涼み会 / カウンター天板の相談で船橋のラボへ📁 写真
7月7・11・14日駄菓子屋、はじまる子どもがお小遣いで自分で計算して買います。いまは「みーと縁菓」として毎週火曜に。📁 写真
7月12日マルシェ vol.3📁 写真
7月18日/8月8日健康カフェ(横浜保土ケ谷中央病院と)📁 写真
7月19日常盤台・羽沢ワークショップ📁 写真
7月26日釜台町の夏祭り・こども神輿のお手伝い📁 写真
7月31日〜8月1日ガス工事・キッチン工事
8月2日【WS 1】天井ワークショップ📁 写真
8月9・10日【WS 2】タイルワークショップ7月にタイル工場へ打ち合わせに行き、それから貼りました。📁 写真
8月13〜15日天井・レンジフード工事📁 写真
8月16日【WS 3】裏開口ワークショップ📁 写真
8月17日竹を運ぶ様子竹日和(流しそうめん)📁 写真
8月18日建具工事
8月23日・30日カウンター天板の施工研修(船橋のESSH株式会社へ)
9月13・14日壁を塗るワークショップの様子【WS 4】壁面塗装ワークショップ漆喰塗りには小学生も参加しました。「自分が塗った壁」がいまも残っています。📁 写真
9月18日営業許可の書類確認(保土ケ谷区役所)
9月20・21日【WS 5】棚造作ワークショップ📁 写真
9月28日【WS 6】天板ワークショップ(ESSH株式会社とのコラボ)📁 写真
10月4日【WS 7】天板削り出しワークショップ📁 写真
10月5〜14日厨房機器の設置、ガス工事、備品搬入、木工事、棚の取り付け、天板の補修
10月11・12日ときわ学びフェス / ピタゴラチャレンジ📁 写真
10月17日「健康カフェ」を「まちのほけんしつ ルポゼ」に改称(以後、毎月第3金曜)/ケーブルテレビの生中継📁 写真
10月18日オープニングの買い出しと仕込み
10月19日オープニングセレモニー 建物の前に並ぶ人たち
メインセレモニー。旧・二葉屋精肉店の看板の下に、地域のみなさんが並びました。
ピニャータに集まる子どもたち
ピニャータ
立食パーティーの料理
立食パーティー
メモリアルトークの様子
メモリアルトーク
夜市の様子
夜市
ピニャータ、立食パーティー、メインセレモニー、メモリアルトーク、そして夜市。朝から夜まで、5つのプログラムで一日をやりました。📁 写真
10月23日保健所の検査 / 職業体験「みーとニア」📁 写真
10月31日〜11月2日横国の学祭に出店(駄菓子屋みーと!/みーとコロッケ・うどん部コラボ)📁 写真
11月9日心をつなぐお話し会📁 写真
11月16日工事続きワークショップオープンしてからも、手を入れつづけています。📁 写真
11月30日/12月7日手芸部(パラコード)/さつまいもスイーツ&リースづくり📁 写真
12月13日マルシェ vol.5📁 写真
2026年1月10日マルシェ vol.6 / 保土ケ谷区の賀詞交換会📁 写真
1月17日・24日クラフトコースター / 手芸部(プラバン)📁 写真
1月28日常盤台小学校を訪問📁 写真
2月1日/2月19日交流会 / つながるご飯の会📁 写真
2026年2月整備完了。ヨコハマ市民まち普請事業 令和7年度 整備施設として完成

2026年4月 — いま整備が終わってからの一年

「まず成り立たせる」という最初の目標は、ひとまず達成できました。いまは、続けていける形をつくっている最中です。助成金の外に出てからも、毎月なにかが動いています。

2026年4月DIYブラッシュアップオープンしてからも、少しずつ手を入れています。📁 写真
4月11日みーとみーとマルシェ📁 写真
4月17日まちのほけんしつ ルポゼ📁 写真
5月9日ワークショップDAY📁 写真
5月11日Maru カフェ、初出店📁 写真
5月15日まちのほけんしつ ルポゼ📁 写真
5月利用の仕組みを「レンタル利用」「企画利用」の2区分に整理。キッチンの使い方も文書にしました続けるための、いちばん地味で大事な作業です。
5月23日新しい企画の名前を「まちの縁側」に決定
5月31日手芸部(ドーナツ)📁 写真
6月4日通りから見たビストロの様子たまり場ビストロ、初回。地域のまちづくり協議会と一緒に蔀戸を開けた間口から、中の賑わいが通りに見えます。📁 写真
6月8日トークイベント(保土ケ谷区制100周年記念事業)📁 写真
6月12日まちの縁側の「当番オペレーション」を文書化誰が当番でも同じように開けられるように。
6月27日交流会「みーとみーつめーと」📁 写真
7月4日・5日みーとみーと麻雀📁 写真 / ボドミル📁 写真
7月7日七夕(駄菓子屋とあわせて)📁 写真
7月9日kuan Spice Table の営業
7月11日夏マルシェ📁 写真
7月25日富山大学の方が視察に
8月5日ひまわり📁 写真
8月9日みーとみーと流しそうめん
8月10日読書会
8月17日クラフトジンジャーエール ワークショップ
8月21日まちのほけんしつ ルポゼ
8月23日第3回 交流会「みーとみーつめーと」
8月31日ヨコハマ市民まち普請事業 令和7年度 整備箇所見学会審査員のみなさんと、令和8年度の1次コンテストを通過したグループが見学に来られます。
9月(予定)kuan Spice Table(11日)/たまり場ビストロ(17日)/ボドミル(26日)

定例でひらいているもの

毎週 火曜 15:00〜17:00
駄菓子屋「みーと縁菓」──10円から100円の駄菓子を、子どもがお小遣いで自分で計算して買います
毎月 第3金曜
まちのほけんしつ「ルポゼ」──横浜保土ケ谷中央病院と一緒に。気軽に健康の相談ができる場です
偶数月 第4土曜
交流会「みーとみーつめーと」
随時
まちの縁側(当番がいる時間にゆるく開けています)/シェアキッチンの営業/レンタル利用

シェアキッチンに開いたお店

「いつかお店を持ちたい人が、試しに開いてみられる場」。提案書に書いたことが、実際にこうなりました。日付はそれぞれの初出店日です。

2024年12月13・14日みーとみーとカフェ(niki coffee)📁 写真
まだ建物ができる前、旧店舗のなかで
カウンターでくつろぐ人たち
2025年11月7日みーとみーと弁当 vol.0📁 写真
2025年12月4日kuan spice Table(スパイス料理・カレー)
2025年12月15日みーとみーとフレンチ📁 写真カウンターとテーブルが埋まった店内
2026年1月22日菓子屋 michikusa(焼き菓子)カウンターに人が並ぶ様子
2026年2月22日道草食堂📁 写真
2026年3月22日Cookie Pot📁 写真テーブルで過ごす人たち
2026年5月11日Maru カフェ📁 写真Maruカフェの店内
2026年6月4日たまり場ビストロ(地域のまちづくり協議会と)📁 写真ビストロで卓を囲む人たち

このほかにも、地域の医療・福祉・まちづくりに関わる方が集まる読書会(2026年1月〜)、保土ケ谷区制100周年記念事業の支援を受けたマルシェとトークイベント(2026年6月〜)などが動いています。シェアキッチンは、上のように月1回くらいのペースで日替わりのお店になります。

これらの多くは、私たちが「やってください」とお願いして始まったものではありません。場所ができると、持ち込まれるようになります。ただしそのためには、その前に「あそこは何をやっている場所か」が知られている必要がありました。建物ができる前の半年に開いた10本のイベントは、そのためのものだったと、いま振り返って思います。

夜のイートインスペース
前面の蔀戸(しとみど)を開けると、通りと店の境目がなくなります。

整備は終わりましたが、私たちにとっては、ここからが本番だと思っています。ふらっと立ち寄っていただけたら嬉しいです。

関係者のみなさんへ ── 写真アーカイブ

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